<朝からまずい話ですいませんシリーズ3> 前号より
普段は「チャンピオン」や「鉄人」といった、うたい文句は警戒するのだが、まずいソース焼きそばで意気消沈した精神状況では、正常な判断ができなかった。
「餃子セットを」と、ろくに考えずに頼む。
待つこと十分。見たところ普通の餃子である。
そのまま酢だけをつけて食べる。
一、皮は、やや厚めでもっちり感がある。
二、中から茶色のスープが飛び出す。正体は、醤油と肉の脂が入り混じった、濃い味。
三、餡は肉のみ。ただし汁に余白を取られるためか、量が極端に少ない。
四、つまり餡が少ないのに餃子の形を保っている、奇跡の技術が用いられている。
五、ご飯は、あまり糖質をとらないようにという配慮からか、蒸れ臭く、まずい。
六、ザーサイつきとうたわれたザーサイは、塩分の過剰摂取を配慮して、皿に二枚張り付いている。
七、やたら甘い杏仁豆腐と味の薄すぎるスープつき。
これでお値段は、立派な九百五十円であった。
サービスエリアとは、我々がサービスを受けるのではなく、我々がエリアの経営陣をサービスするエリアだったのである。
このように、虚しい食事は大変勉強になる。
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